鍋割山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 4名
平成30年1月21日 鍋割山 合計 4名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:県民の森ゲート(8:25)…二俣(8:55)…小丸尾根(小丸まで1500m地点)(9:35)
        二俣分岐(11:35-11:45)…鍋割山頂(12:25-13:15)…後沢乗越(14:10)…
        栗の木洞(14:50)…櫟山(15:10-15:20)…林道交差(16:00)…寄(16:50)
天気:曇り時々晴れ

 今回、理事長が急遽体調を崩され、2回目のリーダーとなった。参加者は私とCさん、Nさん、Kさんの計4名。私以外はベテランの面々なので特に心配なく参加できた。

 

 鍋割山はその名前の通り、鍋の底を割った形から来ているらしいが、北側の沢がなべ(滑め)を割ったような沢(鍋割沢)の奥にある山という由来もあるらしい。鍋焼きうどんが名物で今回はこれが大きな楽しみ。

 

 渋沢駅で全員集合。今日は六つ星会も塔ノ岳らしく、知っている方もちらほら。私たちは予約したタクシーで一足先に駅を出る。

 

 県民の森ゲートで簡単にミーティングをして出発。駅前よりももう一段キンと冷えた空気の中、林道をを歩き始める。30分弱で川を渡り、二俣に到着。トレイルランの人たちが元気に追い越していく。鍋割山頂まで1時間ほどで行くつもりとの事。凄い体力だ。自分達には絶対ムリ~。多少身体も温まってきたので服装を調整して小丸尾根へ。Cさんはまだ温まらないらしく寒いと言っている。

 

 小丸尾根は事前の調べでは伐採作業がこの秋に終わったばかりで道標等の整備がなされてないらしく迷い易いとの事。確かに、作業路は歩き易いものの登山道は荒れていることもあり、ロープが張られていないと迷う道である。伐採作業路と登山道をいったりきたりしながら、徐々に高度を稼ぐ。天気は晴れたり曇ったりで、晴れて日が照るときは風が心地よいが、日が陰るととたんに冷たい風を感じる。

 

 時々視界が開けるが、スッキリとした天気でなく下界もぼんやりとして他の峰々も霞んでいる。いつの間にか、伐採作業路を歩くこともなくなり、杉林も抜けて木々も低くなってくる。次第に登山道も傾斜がきつくなり、所々岩も出てくる。二俣から稜線までは2時間強程であるが、ひたすら登りはなかなかきつい。休憩をとってもすぐに体が冷えるのでザックを下すのも億劫になる。短い休憩をたびたび取りながら稜線を目指す。

 

 もう間もなく二俣分岐と思われる辺りからは、たくさんの霜柱がなった道を踏みしめて歩くが、一部溶けたところは滑りやすくとても登りにくい。

 

 ようやく二俣分岐の稜線に到着。予定よりやや遅めのペース。他の登山客も多く、塔ノ岳を目指す人や小丸尾根を下る人も多い。小丸尾根を登ってくる人は少数派のようだ。日は完全に陰ってしまい薄暗く、風もとても冷たく寒い。鍋焼きうどんを早く食べたい。ここから尾根歩きであるが整備が整っており歩きやすい。やや少し高度を稼ぎ、小丸を通過。ここが本日の最高点の1341m。あとは鍋焼きうどん目指してまっしぐら。

 

 鍋割山荘に到着。たくさんの登山客で賑わっている。早速、うどんを注文しに小屋に入るが、ザックは外において下さいとの事。慌てない慌てない。混みあってはあるが、4人で座ることができた。そして本日のメインイベントの鍋焼きうどん!たくさんの具が乗り、立ち上る湯気の中で一口すすると、皆、自然と「おいしい」と声が出て顔がほころぶ。冷えた体に染みて、まさに至福の時間。たまりません。山で食べるごはんはなんでも美味しいが、こんなものが山頂で食べられるとは。ベンチで食事をとっている人に写真を撮ってもらい、下山にかかる。

 

 階段状の登山道をどんどん下る。陰っていた太陽が、また、たびたび顔を出すようになった。尾根歩きであんなに冷たく感じた風が、心地よく感じてくる。寒いとか気持ちが良いとか勝手なものです。

 

 視界が開けたところで、皆で地図を広げて、周りの峰々を観望してみる。あーでもないこーでもないと言いながら調べる。遠く見えるきれいな形は大山だろう。理事長なら、さっと教えて下さるが、こうして自分たちで調べてみることも大切なことだと皆で納得して理事長に感謝!

 

 後沢乗越に到着。何組かの登山客がいるが、大半は二俣への下山ルートの模様。寄経由での下山は私達と一人で来ている若い女性のみだった。今回、ここから栗の木洞への登りがしんどかった。気持ちは下山に向かっている中で、小丸尾根のような登りはかなりこたえた。

 

 ようやく栗の木洞に到着。視界は開けておらず、ひっそりとしている。ここかの下山は歩き易い道となり、「もう登りはないよね」とリーダーへのプレッシャーを感じながら歩く。いつの間にか空も青空が広がっている。突然草原が広がり、櫟山に到着。山頂では遠かった街並みがすぐ眼下に見える、だいぶ歩いてきた。櫟山には、草原の中に立派な松が立っている。のんびりした雰囲気で気持ちの良いところだ。

 

 あと、寄までは1時間ちょっと。もうひと踏ん張り。杉林に囲まれた歩き易い道をじぐざくに下っていく。ところどころ、猪が走ったと思われる跡がほぼ一直線に急斜面を下っており、動物の身体能力に皆で感嘆する。集落が近くなってきたところで茶畑が栽培されていた。丹沢はお茶も名産らしい。

 

 道標に寄のバス停脇の建物の方向が示されているが、どうも遠回りのようなので、茶畑を抜けていくことにした。地図上ではこちらが正解。茶畑を抜け、一般道に出ると、たくさんのロウバイが咲いていた。まだまだ寒い日が続くが、春も近づいていることを感じる。ほどなくして、寄のバス停に到着。

 

 山頂は予定よりもやや遅れていたが、予定通りの時刻に到着。そんなに急いだつもりはないが、さすがベテランの皆さま方です。バスが来たが、バス広場の入口に路上駐車している車があって、バス広場に入れない。路駐した車は河原に遊びに来たファミリーで、キーを無くして動けなくなっている模様。バスは広場出口側から入り、少し遅れて出発。いつの間にか辺りも暗くなり、バスのほどよい揺れを感じながら、昼の鍋焼きうどんを思い出しつつ、満足な一日を振り返りながら帰路に着いた。

 

                                                               記:井上