川苔山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 3名 健常者 7名
平成28年10月16日 川苔山 合計 10名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:鳩ノ巣駅(8:55)…大根ノ山の神(9:55-10:05)…大ダワへの分岐(11:40-11:50)…
        舟井戸(12:30)…川苔山(13:05-13:40)…川井分岐(16:00-16:10)…古里駅(17:00)
天気:晴れのち曇り

 今回は、久しぶりに天気を心配しないですむ登山になりそうだ。参加人数も10人と比較的多い。古くからいる会員と新しい会員が、和気藹々と楽しむ、いつもながらの山仲間アルプの雰囲気で楽しめたようだ。

 

 今回は、バスを使わない駅から登山。鳩ノ巣駅に集合し、自己紹介をして出発する。

 

 まずはコンクリートの道。なかなかの急登だ。標高もぐんぐん上がる。民家の脇で実を付けていたムラサキシキブ。日陰と日当たりでは、全く実の色が違う。日陰では紫色。日が当たるとピンク色。今までは種類や土地の性質が違うんだと思っていたが、全くの勘違いだった。

 

 杉の植林帯をぐんぐん登っていく。少し樹林がまばらなところでは、隣の本仁田山が見える。この登山道を登りに使う人は少ない。おかげで、かなり上部までは、ほとんど人には会わなかった。多くの人たちは、川乗橋からのコースを上り、この鳩ノ巣駅へのルートを下りに使う。川乗橋からのコースは変化があって、とても楽しいコースだが、視覚障害者の人にとっては、危険箇所が多数ある。できれば、使いたくないコースだ。しかし、今回は登りも下りも、標高差は1,000m以上。とてもハードなコースだ。

 

 大根ノ山の神に到着する。10年前の5月、ここから大ダワに行くコースを登ったが、そこから先の登山道が悪く一部の人たちを除いて舟井戸で引き返した。その時は、小学3年生だったYちゃんも元気に登ったことを思い出す。

 

 大根ノ山の神からは、杉ノ尾根の右側をトラバースしながら登っていく。杉林はまだまだ続く。展望もない単調な道が続く。今回が2回目の参加となるSさんもAさんのサポートをしている。たぶん、今回が初めてのサポートのはずだ。Aさんのアドバイスを受けながら、しっかりサポートしている。大ダワへの分岐からは、Iさんが初めてのサポートにチャレンジ。視覚障害者のAさんやKさんから多くのことを学べたようだ。とてもうれしい。

 

 舟井戸からは、ようやく雑木林になる。少しだが色づき始めている。登山道も比較的歩きやすくなった。しかし、12時半を回り、おなかはぺこぺこ状態。みんな最後の力を振り絞ってがんばっている。東の肩に着くと、尾根の反対側が見えるようになる。山頂もすぐそこだ。

 

 歩きやすい道を上って山頂に到着すると、雲取山方面の展望が広がる。みんなが見たいだろうと思う方角にある木を伐採したのだろう。富士山方面も切られていた。しかし、今日は富士山は見えない。

 

 雲取山方面は、七ッ石山、鷹ノ巣山、天祖山、長沢山などが見え、さらに奥には飛龍山や大菩薩嶺方面も見えていた。まずは、山頂で腹ごしらえ。思い思いに昼食を摂る。ほぼここまで、計画通りの時間。Aさんは、話し声を聞いて、知り合いが近くにいることに気づく。目が見えなくても耳の感度は抜群だ。いや、見えないからこそかもしれない。

 

 日が短くなっているので、あまりゆっくり葉できない。山頂で集合写真を撮って下山にかかる。東の肩に戻り、曲ヶ谷北峰を登り、赤杭尾根の下山が始まる。最初はなかなか悪い道だ。しかし、難なくクリア。次第に防火帯の歩きやすい道になる。遠くには都心も見える。

 

 下りは登り以上に長いコース。順調に下るが、なかなか赤杭山に着かない。しばらく林道のような作業道を下り、さらに山道を下っていくと、ようやく赤杭山を巻くようになる。この下りは、ある程度ペースを上げないと途中で暗くなる心配があったので、Aさんのサポートは私が全て引き受ける。下りが得意なAさんはしっかり着いてくる。

 

 16時に川井分岐に到着。ここからやや危険な山腹のトラバースを行い、ぐんぐん下っていく。夕日は周囲の木々を金色に染める。そして、山の向こうに見えなくなった。

 

 日は沈んだがまだ明かりは十分にある。木々の向こうに家の屋根が見えるようになる。無事に麓の車道に到着。ここから歩いて古里駅に到着。みんなとても元気に下ってきた。M君もすっかり力が付いて、翌日も筋肉痛にならなかったそうな。若い力に乾杯( ^_^)/□☆□\(^_^ )! 

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 久しぶりの参加となりました。始めは、暑いくらいで長男も汗だくでしたが、徐々に空気が冷たくなり秋の気配を感じ…、山頂は冬を思わせるような冷たい風が吹き、寒いほどでした。

 標高差もあり距離も長い山行ならではと思います。西から雲が迫っている感じでしたが、山頂からの雲取山は流石、いい姿をみせてくれました。

 また、下山途中、夕日が山影に落ちる瞬間の、綺麗な夕日に照らされました。それはそれはあたたかな、深いオレンジ色でした。狭くて長い登山道を真剣に下山してきた長男を支えてくださったお仲間にお礼を言うと「楽しかったですよ」とのお返事が、嬉しかったです。長男もまた一つ、自信につながったと思います。

 駅で一気に炭酸ジュースを飲み干しておりました!気持ちが分かります(笑)

 今回も山からたくさん幸せないただき物がありました。ありがとうございました。

                                                               記:F.Iさん