NPO法人山仲間アルプ団体紹介

 

設立趣旨書

平成15年4月19日

特定非営利活動法人山仲間アルプ

 

1.設立の趣旨

 障害者対ボランティアという関係を越えて、より良い人間関係の構築を図ることによって登山活動を行うことは、安全登山の上からも極めて重要であり、また悪化が進む国内外の山の環境保全に障害の有無に関わらず取り組むことも、非常に重要である。
また、障害者の登山が一般化し、障害者が自由に山岳会を選べるようになるためには、多くの山岳会に障害者と共に山に登る技術を身につけてもらうことが重要であるが、まだ障害者との登山に取り組んでいる山岳会は少ないのが現状である。そのため、障害者と共に山に登る技術や人間関係づくりのノウハウを一般の山岳会や社会に広く伝えると共に、技術面や精神面のサポートを行うことも重要である。
上記の障害者と健常者が共に楽しむ登山活動や国内外の山の環境保全、および一般社会や山岳会などへの広報、サポート活動に法人として積極的に取り組み、心豊かな社会づくりに寄与することを目的とする。

 

2.申請に至るまでの経緯

 これまで、視覚障害者と健常者が共に山を楽しむ会で活動してきたが、どうしてもボランティアをする側とされる側という関係の壁をうち破ることができなかったと感じてきた。
ボランティアをするという意識も、受けるという意識も、それぞれ良い面を持っているが、登山という危険を伴うスポーツにおいては、行動を共にする人間同士の関係が、友情に基づいたものでなければ危険であり、真に楽しいものにはならない。そのためには、ボランティアという意識から、さらに一歩進んで、より良い人間関係の構築を図ることが非常に重要であることを学んできた。
また、国内外の山の環境は日増しに悪化しているのが現状であり、山を愛する仲間で山の環境保全に取り組むことが必要であると感じてきた。
さらに、障害者が自分の好みに応じた山の会を選択できるようになることは、障害者の選択肢が増え、健常者と対等な関係を築く上で大切なことである。そのためには、現存の山の会が障害者との登山を始めることをただ待っているのではなく、広く広報活動を行い、障害者と共に山に登る技術などを伝えていくことが必要であると感じ、法人設立を思い立ったものである。

 

以上